電気の通り道を守る「ラインマン」

電気が使える「いつもの日常」

 普段、皆さんは何気なくテレビのスイッチをつけ、スマホに目をやり電池がなくなれば充電をし、暑い時や寒い時にはクーラーをつけていませんか? これらの製品は電気がなければ動きません。

 電気を使って便利で快適な生活を送っていますが、もしも停電したらその生活はどうなるでしょう。不便になるだけでなく、命に係わる事態も引き起こします。

コンセント

 電気を使いたいときにいつでも使えるように、私たち ラインマン(送電線建設工事に従事する人たち) は電気を安定供給し続ける使命と責任感を抱き、職人としてのプライドを持って仕事に励んでいます。

 今日は、皆さんから遠く離れた場所で誰がどんな仕事をしているのか、フェンスで囲って一般の方は見ることができない現場風景や私たちの仲間を紹介します。

電気の通り道

電気の通り道

 発電所でつくられた50万Vの電気は、私たちが建設した送電鉄塔・送電線を通り、変電所で電圧を下げながら配電変電所へ向かいます。

 そして、6,600Vまで下げられた電気は配電線を通って、電柱に設置されている柱上電圧器でさらに電圧を下げ、引込線によって各家庭に運ばれます。

豆知識

 日本に送電線が初めて作られたのは明治40年(1907年)に22基、山梨県大月市に建設した水力発電所から早稲田の変電所まで75kmです。現在、全国にある鉄塔は約24万基、送電線の長さは約9万kmに及びます。

全国にある鉄塔の数と送電線の長さ

 全国にある鉄塔の数は約24万基あり、建設から50年経過している鉄塔はこのうち3万基あり、順次建て替え工事を行っています。全国にある送電線の長さは約9万km、これは地球を2周するほどの長さです。

ラインマンについて

 「ラインマン」とは、日本の大動脈ともいわれる「送電線」の工事に従事する人たちを指す言葉です。日々の生活に欠かせない電気は、私たちラインマンの技術によって支えられています。

ラインマンの数

 高度経済成長期に建設された多くの架空送電線設備は、当初50年を耐久年数としていたため、本来であれば順に設備更新を行わなければならない時期に入っています。しかし、約20年前に全国で一斉に大規模新設工事を竣工してしまったことで市場が急激に縮小し、廃業や多くの技術者が引退する結果となりました。

 現在、多くの新設工事を経験した技術者の引退が迫っています。架空送電線特有の技術を継承していくため、新たな技術者を育成するための人材採用と環境づくりが課題となっています。

送電線工事受注実績年度推移

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